全然書いてないですね。
書いてない理由は色々だけれど、ポエム/お気持ち表明系の話と技術的な度合いの高いメモでは空気が違うと思う。 かずよしさんの話 は主に前者という認識。 なので二つ別々に議論してみたい。
お気持ち表明系
まずはまじさんがポエムといっているようなやつ。
書いてない理由は、もちろん英語だから厳しいのはある。 がそれはさておくとして、チームによってポエムに対する温度差があると思う。 まわりの人が色々言っていると自分もそういうことを考えたり書いたりするようになる。 まわりに意見を表明する人がいないと、自分だけでは角が立つ気がしてわざわざ声を上げる気にはならない。 意見が多いチームにいた頃はたまになんか書いていた気がする。今はゼロ。
あと今の部署は文章より face to face を好んでいる。 割とエラ目の人が定期的に “office hour” という名の update+unconference みたいのを開催し、人々はそういう forum で意見を表明している。 でも、これだとほんとに英語的な厳しさがあるね。 Crucial Conversation を即興でやるとかムリ。これは自分だけでなく周りの non-native speaker も苦労しているように見える。 誰でも意見を言える環境の方が風通しは良いから、その点でいまの部署はイマイチなのだろう。 ただすごく不満というほどではない。チームの価値は風通しだけではないし。
あと大企業でそれなりに mature なチームだと、何か言ったくらいで変化を起こせる気がしない。 良くも悪くも企業や組織の文化は出来上がっていて、したっぱ平社員がどうこういう話でもない。
エンジニアリング的にいまいちだと思うところ、たとえばリリースプロセスとかも、 変えるのが大変なのはわかっている。自分のチームの TPM とか超優秀で Accelerate 的なリリースの理想系 はどう考えてもわかってる。そんな人がいまいちな現状に甘んじざるをえない困難は想像がつくから、 “DORA の調査によれば…” とかさ、言えないよね。
こういう納得のいきやすい例だけでなく単に気に入らないものも色々あるけど、文句を言ったところで変わらないことに違いはない。 こういうのを変えたいと思ったら労力か権力か、あるいはその両方が必要。 口先だけの感じ悪い人にならず、しかしなんか書くだけで特に何もしない、という綱渡りをするには今の 5 倍くらい英語力/米国文化資本がないとムリ。
他人を educate するにしても、自分で書き下すより世の中なり社内の文章のほうが大抵よく書けている。それをリンクすれば済む。 「コミットログもうちょっとなんとかしてくれ・・・ほらこれ」 とか 「副作用のある部分は外に押し出して計算のとこだけテストかいてくれ・・・・ほらこれ」 とか 「目に優しく early return して flat にしてくれよーほらこれ」 とか、コードレビューでありがちなコメントの例。 あと、そもそも自分の opinion で他人を educate する authority もそんなに無い。下っ端だからね。
Leadership and Passion
一歩さがると、ポエムでお気持ち表明をするに至る経路は二つくらいあると思う。
ひとつ目は leadership としての自覚。つまり、自分は周りの人に影響を与えられると思っている。 あるいは周りの人が自分に意見を期待していると思っている。
言葉に棘を感じる人もいるかもしれないけれど、そういう意図はない。 我々はだいぶおっさんなので、順当にキャリアを重ねていれば程度の差はあれ指導的立場にあるはずで、つまり意見を期待されている。 意見をいうかどうかが問題ではなく、意見の良し悪しで評価される段階。 はまじさんやありのさんはこれに該当するんじゃないかな。 組織階層的な leadership はともかく実力者としての存在感はあるでしょう。
ふたつ目は passion の表出。愛社精神や製品愛みたいなやつ。 仕事のことをずっと考えていて、だから意見もあって、 その意見と現状の不一致に腹が立ったりして、まわりの期待とは無関係にそれを表現してしまう。
ここでも棘を見出す人がいるかもしれないけれど、そうじゃない。 愛社精神、ないよりあった方がいいじゃん。政治的正しさを脇に置くなら、これが若さってもんじゃん。 むかしの自分やかずよしさんはこれに該当したんじゃないですかね。もう覚えてないけど。
いまの自分はどうかというと、それほど順当にキャリアが進んでないので特に leadership もなく、 かつてほど愛社精神、製品愛といった passion もなく(ゼロじゃないよ)、 そんなことより眼の前の仕事をさっさと終わらせ子供を風呂に入れねば・・・みたいな日々。
そうそう、最近はポエムとか書いてる時間がないというのもある。降ってくる仕事を片付けるだけで精一杯。 そして就業後・家事子守後に仕事のことを考えたりもしない。そんなヒマがあったらこうして blog 書いたり podcast やったりしてる。 我ながらいかにも出世できなそうであることよ…
技術メモ系
ポエムはおいといてもうちょっと技術的なメモとかないの、という話。
ない! これはツールが悪い。つまりここから先は仕事の愚痴なのだけれど、 勤務先には Confluence も Notion も無いのですよね。 Google Docs と Google Sites しかない。
Google Docs は Google Drive のフォルダくらいしか文書間のナビゲーションを表現する方法がなく、 書いたドキュメントは次々と電子の海の藻屑になっていく。 一方 Google Sites はホームページビルダーみたいな路線に進化してしまい、 ドキュメントレポジトリとしては終了してしまった。 これじゃ information を accessible and useful にできる気がしない。 なんとかならないかと年に一回くらい社内ツール事情を探っては絶望するのを繰り返した結果、 学習的無気力に陥ってしまった。
g3docs
ただ最近は同じチームで三年も働いてしまった結果過剰にノウハウが蓄積されてしまった。
そのノウハウのせいでいらん仕事を引き寄せてしまう。
そんな仕事を他人に押し付ける属人性を廃しスケーラブルにすべく文書化を頑張ろうと、最近は少し心を改めた。
そこで再び社内事情を調べてみると g3docs という
Monorepo GitHub Pages みたいなツールがそれなりに使えるようになっていたので、
これで妥協しようかなとおもってます。変更のたびにコミットするとかかったるいけど、やむなし。
性能関係のチップスみたいのを整備していきたい。
なおこれを書こうと思ったきっかけは 自分のブログだった。 これ日本語で書くより同僚に読ませるべきなのでは・・・という。 なおこのブログは GitHub と Netlify でホストした Hugo で書いている。 だから g3docs をディスるのは不当で、結局は英語を書きたくないだけなのかもしれない。
でも英語はともかく、仕事は文章を書くヒマがあったらコードを書いて目に見える進捗を出したくなってしまうのだよねえ。
…
ちょっと話がフォーマルっぽい文書に傾きすぎてしまった。 会社のなかでのインフォーマルな会話はソーシャルメディアとか色々あるんだけど、 そのへんはむかいさんの方が詳しい気がする。どうですか > jmuk