グーグル社内の情報共有とか社内ソーシャルメディアは、たぶんHow Google WorksとかWork Rules!といった本で軽く触れられていると思う。ちゃんと読み返してないけど、だいたい似たようなことが書かれていただろうと思う。
大昔の話をすると、wikiがあってそこで雑にいろいろ書かれていた時代というのがあった。そういうところで、仕事の情報も、そうじゃないカジュアルな情報共有も行われていたような気がする。ただ、wikiはだんだん使われなくなてきたような気がする。社員数の急増に対してスケールしなくなっていったのだろう。可視性の細かい制御とかができないのも、組織が大きくなってくると難しい話になってくるからかもしれない。
GoogleBuzz / Google+
GoogleBuzzというのは、もう覚えていない人も多いだろうけど、マイクロブログ的なソーシャルサービスで、一般サービスとしては一瞬で撤退してしまった。だが、ローンチより前には社内で使われており、社内ではそこそこ流行っていたと記憶している。Buzzの失敗の原因はいくつかあるとされているが、そのうちのひとつは社内でそこそこうまくいっていたことで誤解してしまったことだとされている。
その後のGoogle+も、社内では唯一のオフィシャルなソーシャルサービスなのでけっこう流行った。けっこういろんな長文投稿をする人もいた。rantを書く人もいたし、技術的な小ネタを書く人もいてけっこう面白かった。社内で書いたものは社外にはそのままでは共有できないようになっていたので、それなりに安全なソーシャルサービスになっていた気がする。UIが一緒なので、間違って社内向けrantをgmail.comのアカウントで投稿してしまうといった事件も発生したりしていたけど、裏を返せばそれぐらいには社内にオーディエンスがいたのだった。
ただし、社内Google+は次第に人気を失っていったように思う。決定的だったのは、一般公開Google+が終了したことか、それともCurrentsという名前にリブランドされたことか。いまでもたまに見ると投稿はちらほら見るけど、かつての賑わいは失われてしまったような気がする。
memegen
もうひとつユニークなサービスがmemegenだ。memegenは社内向けの「インターネットミーム」の投稿サイトで、ミームというのは画像に好きなキャプションをかぶせたジョーク、といったものだ。これはめちゃくちゃ流行っていた。基本的に皮肉っぽく、社内のいろんなネタを笑い飛ばせるところが良かった。また、全社のTGIFでの発表なんかでも、おかしなことを投稿するとすぐ茶化されたりといったこともあった。人気を反映して真面目な問題提起がなされるようになったりしたし、会社の偉い人たちもこういうところで雰囲気をはかるようなところがあったりした。ただ、独自のカルチャーもあるし、奇妙な「お約束」もあったりした。皮肉っぽいカルチャーゆえに、妙に会社や(ほかのチームの)製品のクオリティに対する文句も増えてきている気がする。今でも人気はある気がするし、たまに見ると面白いんだけど、わたしはあんまり見なくなってしまった。あとmemegenは構造上、ジョークがメインであって、ソーシャルにはいいんだけど、メモとかそういう話ではない。
g3doc
これも存在が明らかになっているみたいなので書いておくと、このごろはg3docにまとめておくという話もあるにはある。g3docは、社内用のgithub pagesのような仕組みであり、markdownで書いたファイルをコミットしておくと、ウェブサイトでいいかんじに表示してくれる、というもの。
これ自体はよくできていて、とくにオフィシャルなドキュメントの整備には向いている。チームの情報をまとめたり、といったことには広く使われている。が、ファイルをコミットしないといけないので、雑多なメモやら、カジュアルな情報共有にはあまり向いていない。痛し痒し。
Google Workplaces
けっきょくのところ、いわゆるgSuite / Google Workplacesの製品が、いまではよく使われている気がする。たとえば、ちょっとしたノートやtipsならGoogle Docsに書く。チーム内のインフォーマルな情報共有にはGoogle Chatが使われるようになった。あとGmail。グーグルではメールが非常に頻繁に使われていて、わりとちょっとしたこともメールで書くことはある、気がする。意図的に雑談チャット風のメーリングリストを運用していて、ちょっとしたこと(たとえばツールやスクリプトのトラブルなど)の相談なんかは、そういうところで行われることもある。Google Sitesは……あんまり使わないかな……チームにもよるんだろうけど。
この分野、もうちょっとどうにかならないものかと思ってはいるけれど、なかなか丁度いいものというのは難しいんだなという気がする。あと意外とDocsはそこまで悪くはない。