普段はあんまり未来のこと考えていないので難しいですね。暗いことを予測してあたっても嬉しくないので、こうなるといいな、というものを中心に書きました。
予測
1. 静的型のあるスクリプト言語が人気になり、Python, Ruby に続く第三の選択肢になる
この10年で Python や Ruby に型が入ったのはすごいのですが、私が Perl をみて「bless ってなんだよ。普通に class は予約語でいいし、標準ライブラリももっとオブジェクト指向になっていてほしいなあ。」と思っていたように、未来の人々は最初から型があるスクリプト言語を求めるんじゃないか、と思う。
このスマートフォン時代に、人々が最初に作りたいのはスマートフォンアプリのはずで、そこで Kotlin, Swift, Dart (Flutter) あたりを学んだ人にとって、Python や Ruby の実行時エラーってあんまり納得いかないもののはず。
2. 開発環境としての macOS の人気が落ちて、Linux が普通の選択肢になる
macOS の iOS 化、巨大テック企業ってあんまりかっこよくないよねという気分、地球温暖化の懸念と修理する権利、学校指定の Chromebook をハックして遊んでいた世代の台頭、などなどが相まって、今の猫も杓子も macOS 時代が終わって、開発者は Linux を使うのが普通の選択肢になる。
3. HTTP + HTML + CSS + JavaScript に代わる、新しいプロトコルとフォーマットが、コンピュータ愛好家の間で普及する
HTTP/3 は複雑だし、HTML + CSS + JavaScript はもっと巨大で複雑。とくに後者は、経緯を知らない人が仕様をみて、さらに React や Tailwind みたいな実装上の工夫を見たときに、あんまり納得感がない仕様になってしまったと思っている。カスケーディングするスタイルって結局ダメなアイデアだったの? みたいな。
なので、Gemini のような別のプロトコル + フォーマットがいくつかでて、そのうちのどれかに、コンピュータ愛好家は移行するんじゃないか。
4. Markdown のような、みんなが納得して Git に入れやすい図を書くためのフォーマットが制定される
突然話のスケールが小さくなるんですが、仕事で図を書くときに、PlantUML を使ってみたり Web アプリケーションを使ってみたり、いまだにしっくりくるやつが見つかっていない。Wiki 文法は Markdown という決定版が出て落ち着いたので、図に関してもそろそろ喧嘩にならない決定版が出てほしい。
これは自分でやってみてもいいかもなあ。
5. プログラミング言語の diff が、行単位ではなく、構文木をきちんと理解したものになる
未来というか現代でも当然あるべきもの第二弾。なんで git diff
とかコードレビューでいまだに我々は行単位の diff をみているんでしょうか。木の diff をとるのってロケットサイエンスではないはずで、そろそろもうちょっと良い差分表示ならびにマージができるようになってほしい。
使ったことないけど、多分 SemanticMerge がやってくれるんですよね。こういうのが各地に普及してほしい。
6. Jupyter Notebook のような「実行できる文章」というメディアが、SRE や様々な場所で使われるようになる
機械学習もデータサイエンスもやっていないのですが、Jupyter Notebook って便利ですよねー、と思っていて、Qiita や README.md にあるような「まずはこのコマンドを実行して、次はこれです」みたいな文章も、サービスの運用に用意する、こういうエラーのときはこうしますマニュアル (ランブックと呼ばれたりします) も実際に実行できる文章になってほしい。
7. 簡単なプログラムなら書けますよ、という人が増える
ここから社会っぽいやつです。
学校でのプログラミング教育、オンラインプログラミング学習サイトの充実、プログラマって儲かるらしいよという期待、などなどにより「職業プログラマではないですが、簡単なプログラムなら書けますよ」という人が増える。
タイピストという職業が昔あって消えたみたいに、というとプログラマが絶滅してしまうのでちょっと違うのだけど、すべてのプログラムが専門職を必要とするかというとそうでもないと思っている。
8. 営利企業ではない、財団や協同組合などのソフトウェア開発組織が増える
ここ10年は、営利企業のソフトウェアとその限界、というのを人々が目の当たりにした10年になってしまったので、もうちょっと別の形の組織体が増えるんじゃないか。例えば Zig とかは早々と Zig Foundation とか作っていて、なんか新時代だなあと思います。
9. リモートワークが普通になり、東京やベイエリア周辺に集中して人が住むのが終わり、日本に住みながら海外の会社で働く人も増える
新型コロナウィルスでなし崩し的に各地で解禁されたリモートワークはこのまま続いて、東京やベイエリア周辺に集中して人が住むのは終わる。人々が非同期な働き方になれた結果、時差の重ならないところで採用もできるようになって、日本に住みながら海外で働く人も増える。
10. 日本と国外の人の行き来が増えた結果、日本でも二重国籍が認められるようになる
コンピュータ関係ないですね。ならないかなー。