そろそろ更新も止まってきたし、一旦シーズン1終了的な感じで終わりにしようか、 ついでに振り返りでもやったらいいんじゃない? と言ったら、じゃあ最初書いてよ、と言われたので書いてみます。
自分としては更新がだんだんとされなくなって自然消滅、みたいなのよりは、 区切りをつけたいと思っていたので、 ひとまずシーズン1はこれにて終了、という事になりました。 別段シーズン2の事を考えて言った事でも無いので、今後の事とかは何も決まってません。 自分個人としてはそのうちまた再開してもいいかなぁ、とは思っています。
外から見ると凄くまともに出来ているように見えるこのMessage Passingだけれど、中はびっくりするほど何も決まってない感じで運営されています。 始まった時には書いている自分もこれが何なのかは良く分からず、なんか技術的な事を書いて回してみよう、みたいな程度でした。 プラットフォームとかも特に無くてなんとなくmdを各自が書いたら、何か森田さんがゴソゴソしてそれっぽいサイトになってびっくりしたのは私だけでは無いだろう。
そんな風に各自が何をやるかを分かってないまま始まったので、各自の考えも違う事と思う。 ここでは自分がどう思っていたかを書いてみたい。
はじめる前の自分の印象
なんとなくの問題意識として、ブログはいまいち最近交流が無くてもう少し交流がしたいが、 SNSなどは反響のある話題と自分たちの興味のある話題に乖離が大きくて、 自分たちに興味のある話がしたい、というのがあったように思う。
kzysはtwitterいまいちと何度も書きすぎている、と自省するくらいそういう話をしているし、 自分はほとんど誰とも交流せずに延々とかなりの量のブログを未だに書いているし、 morritaもブログの形態をどうするかはいつも悩んで右往左往しているのは見ている。 jmukはその辺の態度を良く知らないが、4人中3人は、ブログ的な何かが好きだが今のブログではどうもうまく行っている感じはしていなくて、 その周辺に感じる思いは同一では無いにせよ似ているものがあるのだろうな、とは思っていた。
また、自分たちのブログの感想などは、たまにメールなどでやりとりしていたのだが、 そこでは意外と技術的に面白い話が続いたりしていた。 別段これをクローズドな場でやりたい訳でも無いのになぁ、とは思っていた。
そこで普段のメールのやりとりみたいなのの延長で公開するような何かをやれないかな? と始まったのがMessage Passingだと自分の目からは見えている。
何をやるかは良く分からないけど、とりあえずなんかmdで技術の話を何かお題を決めて書いてみよう、 と言い出しっぺのmorrita氏が バグのはなし / morrita - Message Passing の草稿を書いて、 それを見てなんとなく他の人も書いてみる所から始まった。 ただこの時点ではマークダウンの草稿を見て自分も書いただけで、どういう形で公開されるのかも良く分かってなかった。
これはダメなのでは、と思った開幕
最初に一つ技術的な記事を書いてみた所、morritaさんが何かゴソゴソし始めて、サイトが出来た。 おぉ、こういう感じにやっていくものなのか、と出来た後に初めて理解し始めたような状態だった。
そして一つ記事を書いて公開されて、最初に思ったのは、「こりゃ続かんな」というものだった。 割とまともな記事を書くくらいの大変さで、別に原稿料がある訳でも無い。 単に技術的な記事とブログの間のような何かを書いている、くらいの印象で、 コミュニケーションという感じもしない。 ブログの問題点が改善されている訳でも無く、単に自分のブログでは無い所に無料で技術の記事を書いているような、 何がインセンティブで続くのかも良く分からないものだった。 これなら雑誌の記事でも書いている方がいいのでは無いか。
ただ、ブログよりは反応はあった。 これは森田さんの知名度のおかげか真面目な文章書けばそれなりに反応があるという事なのか、まとまった形で読めるという形態的なおかげなのかは良く分かっていない。 反応があるのは書くモチベーションにはなる一方で、あまりSNSとかの反応に合わせた事を書きたくないからこそブログなんて書いてきている訳で、 反応がある事自体は一長一短かなぁ、と思っていた。 あまり他人受けにはしるような感じになったら自分は辞退するかくらいに思って続けていた。
失敗する事自体は別段問題無いと思っていて、試みとして何か発見があればいいかな、くらいのつもりだった。
そんな風に問題点は割とはじめた瞬間から明らかだったのだけれど、 メリットはしばらく続けた後に分かるようになった。 それは他のメンバーが書くものを読むのが面白い、という所だ。
他のメンバーが書くものを読む面白さ
しばらく続けていると、書くのは面倒で続かないなと思う一方で、 他のメンバーが書くのを読むのは面白いな、と思うようになった。
何をお題に書くかは、ある程度自分も決める事が出来る。 理論的には1/4(途中から1/5)だが、自分はもうちょっと多く決めていた気がする。 形態的に最初に書いて人を指名する、というのが一連の記事の始まり方なので、 最初の記事を書く人がトピックの選択権がある。 自分が最初に書くというコストを払う事で人に好きな事が聞ける訳だ。
自分の興味のある事を人がどう考えているかを聞く事が出来て、 それなりの長さの文章でちゃんと各自の考えを書いて答えてくれる。 これがなかなか楽しい。 Message Passingというものを書いてくインセンティブはこういうものだった。
書くモチベーションは、何か言いたい事があるから書く、というよりも、 自分が読みたいものを書いてもらう為の購読費のような感覚で自分の記事も投稿する、というもの。
書く人がみんなそれぞれちゃんとしたプログラマで中身があるので、 読み応えのある記事が多かったように感じた。 凡庸なものもあったけれど、 これだけ何も決めずに各自が勝手に書いていた事を思うと、 良くこれだけ読んで面白いと思えるものの割合を高められたものだ、 とそっち側に驚いてしまう。
どの辺に無理があってどうなっていたら続きそうなのか
外からはどう見えているか分からないが、 やっている自分としては、 何も決まってない状態で始まって、開幕から「こりゃ続けるのは無理だ」という感じだったのだ。 だから自分としては、むしろ良くこれだけ続いているな、と予想以上にうまく行ったと感じている。 これだけうまく行ったのだから何かこのまま終えてしまうのも惜しいな、と思うとともに、このままでは続かないな、とも思うので、 続か無さそうと感じた部分について、自分が思う事を書いてみたい。
まず、アクティブに書いている人数はこのくらいで良いと思う。 人が増えると考えを聞きたいと思わない人の割合も増えて、自分が書く気も無くなる気がする。 一方で、ずっとこの人数が書き続けるのは無理があるようにも思う。 もうちょっとこう、15人くらいの人のプールがあって、そのうち今は4〜5人くらいがアクティブ、 みたいな形態になっていると無理無く続くような気がする。 ずっと続くんじゃなくて気が向いた時に書く、という感じで続くようにしないと厳しい。
あと、記事の投稿がちょっと大変。 掲示板とかSNSに何か書くというのはもうちょっと規模が小さい状態で書いて続いていく感じなのだけれど、 Message Passingは一本の記事が結構たいへんなので、 インクリメンタルに書いていく感じでは無くて、最初に気合が必要。 これはもうちょっと形態を工夫してどうにか出来ないかなぁ。
記事を書くインセンティブももうちょっと何か欲しいな、という気がする。 皆様高給取りなので小銭が欲しいという人は居ないだろうから、 本にするとか原稿料とかじゃなくて、もうちょっと何か違うものが欲しい気はする。 ただSNSとかでバズるとかが嫌でこんな事をしている部分はあるので反響があれば良いというものでも無く、 どういうインセンティブがあれば良いのかは良く分からない。 もう少し読者との対話があれば良いのかなぁ。うーん、分からない。
人を増やす的な話し
メンバの選定は相当難しいな、とも感じた。 自分は技術ブログをコンスタントに書いている事と、コーディングを現在でもそれなりにしていて、 そのアクティビティについて語る人の話を読みたいと思っている。 そういう自分が読みたいと思う人でメンバを増やすというのはなかなか難しいなぁ、と思った。 そもそも技術ブログをコンスタントに書いている人という時点で、 同年代の友人たちの8割は脱落してしまう。 ブログを書いていなくても良いのかもしれないけれど、 ブログを書いていないとその人の書いたものを読みたいかどうか、判断出来ないのですよね。
メンバがアメリカ大手企業寄りの考えに偏りすぎていて、もう少し小さい企業や良い日本企業側の勢いのある若者とかも居たらいいのになぁ、 とは思っていた。 でもおっさんは若者と話したがっても若者はおっさんとは話したくないのだった…というのは冗談(?)としても、 若者の知り合いが少ないのは事実で、 なかなかこの人のプログラムに関する話を読んでみたい、と思うそうした人は思いつかない。
以前クックパッドで働いていた時にホワイトボードの前で何度かnodejsのasyncとかの話をしたことはあるが、 最後まで名前を聞かなかった人は居て、彼みたいなのが居たらいいのになぁ、とは思っていた。 たぶん@KOBA789さんか?と思いつつコンタクトを取ってみる前に現在に至るという感じ。
先程の記事を書く負担的なものがもうちょっと改善されれば、気楽に話を持ちかけられるかもしれない。
全体的な感想
思ったよりはうまくいって、なかなか面白い試みだった。 もう一捻り必要と思うけれど、もう一捻りがうまく行けばいい感じに続けられて、 それなりに意義のある何かになるんじゃないか。
この辺の感覚としては、jmukがどう思っているのかがちょっと興味がある。 どうっすか?